徒然なるままに〜120秒で読む言葉

意味はありません。ただおもったことを書き綴っています。120秒でよむことができるような短い言葉ばかりです。隙間時間の一息にどうぞ

【創作話】6話 通勤電車

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夏美は毎朝、通勤電車に乗って会社に向かっていた。彼女はいつも同じ時間に同じ駅から電車に乗り込む。夏美は仕事が忙しく、通勤時間も含めてほとんど自分の時間を持てない日々を送っていた。

 

彼女は通勤電車内で他の乗客たちのことを見るのが好きだった。彼女は、様々な人々が電車内で自分の時間を過ごしている様子に興味を持ち、彼らについて空想するようになった。

 

ある朝、夏美は電車内で見かけた年配の男性に興味を持った。彼は、ひとりで本を読んでいた。夏美は彼のことを想像し、自分がその年齢になった時にどんな生活を送るのかを考えた。また、彼女は若い女性が仕事に励んでいる姿を見かけ、自分自身の将来を想像することもあった。

 

夏美は、通勤電車内で出会う様々な人々に対して、自分自身の人生について考えるようになった。彼女は、毎日同じ通勤電車に乗り、同じ時間帯に出勤することで、様々な人々と出会い、自分自身の視野を広げていくことができた。

 

ある日、夏美は通勤電車で新しい乗客と出会った。彼は、夏美と同じ時間に同じ駅から電車に乗り込んできた。夏美は初めて会った人なのになぜか彼のことを覚えていた。

毎日の通勤電車で彼とすれ違うことが習慣になっていた。彼女が座れない時には、いつも気遣って席を譲ってくれた。彼は、夏美にとって心地よい存在であり、電車内での出会いが彼女の日常に癒しを与えてくれた。

 

ある日、夏美は彼と偶然同じ駅で降りた。彼は夏美に声をかけ、一緒にコーヒーでも飲まないかと誘った。夏美は戸惑いながらも、彼と一緒にカフェに入った。彼は自分の名前を智也だと名乗った。そこで二人はお互いのことを話し合い、意気投合した。

 

以来、夏美と智也は通勤電車内で会うだけでなく、週末にはデートをするようになった。彼女は、智也が自分にとって心地よい存在であることを確信していた。そして、自分が智也にとっても同じような存在であることを望んでいた。

 

しかし、夏美は自分が既婚者であることを思い出した。彼女は不倫することに罪悪感を感じ、智也との関係を断とうと決めた。ある日、彼女は智也に真実を話し、関係を終わらせることを伝えた。

智也は驚いたが、夏美の決意を尊重した。彼は彼女に対して、何も強要するつもりはなかったと伝え、彼女を励ました。夏美は智也が自分に対して言葉をかけ、理解を示してくれたことに、少し安心した。

 

その後も、夏美は通勤電車内で出会う乗客について空想を続けた。しかし、彼女は智也との出会いが、彼女にとって大きな影響を与えたことを忘れることはなかった。彼女は、智也との思い出を大切にし、自分自身を振り返るきっかけとなった通勤電車内の出会いを、今後も大切にしていくことを決めた。

 

【この話はフィクションです】

 

 

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